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第 5 章 : ビデオの作成

RealVideo はストリーミング、ダウンロードの双方において最高の品質の圧縮ビデオを提供します。 この章では、RealProducer がソース ビデオのエンコードを実行する方法について説明します。 また、ビデオ作成の手順についても取り上げ、高品質な入力をキャプチャするためのヒントや、デジタル化されたビデオ ソース ファイルを扱うためのヒントを解説します。 この情報は高品質のクリップを作成するために役立ちます。

RealVideo について

ビデオは 2 つの要素から構成されます。 それは映像トラックおよびサウンドトラックです。 RealVideo クリップでは、サウンドトラックは RealAudio コーデックで、映像トラックは RealVideo コーデックでエンコードされます。 RealProducer は両方のトラックを RealVideo クリップにパッケージ化します。 RealVideo クリップは RealAudio クリップと同様に、可変ビット レート クリップの場合は .rm.rv または .rmvbというファイル拡張子をそれぞれ使用します。 以降のセクションでは、RealVideo クリップ作成の基本的なポイントを説明します。

良質のストリーミング ビデオ作成のための要素

良質のビデオ クリップを作成するために最も重要となるのは、ソースの品質です。 RealVideo のエンコーディング処理では、フィルタによって映像のコントラストを強くしたり、特定の欠陥を除去したりすることはできますが、入力の品質が向上することはありません。 ビデオの圧縮率を高めれば、一般的に品質は低下します。 したがって、エンコーディング方法の選択がクリップの最終的な品質に与える影響を理解すること、およびビデオ作成のサイクルを通して可能な限り品質を高く保持するための適切な手順を実行することが重要です。

データ割り当て量

RealProducer はソース ビデオを RealVideo クリップに変換する際、クリップが特定の帯域幅でストリームされるようにビデオ情報を圧縮します。 特定のストリーミング視聴者を対象にするということは、データ割り当てが固定されているようなものです。 56 Kbps モデムなどを使用する低帯域幅の視聴者に対しては、DSL やケーブル モデムなどを使用するブロードバンドの視聴者 (毎秒 225 キロビット以上) に比較して、割り当てられるデータ量は少なくなります (毎秒約 34 キロビット)。 次の表にいくつかの標準的な対象視聴者と、各視聴者に対して推奨される最大ストリーミング速度 (全体的なデータ配分) を示します。

最大ストリーミング速度
対象視聴者 最大ストリーミング速度
14.4 Kbps モデム 10 Kbps
28.8 Kbps モデム 20 Kbps
56 Kbps モデム 34 Kbps
64 Kbps ISDN 45 Kbps
112 Kbps デュアル ISDN 80 Kbps
社内 LAN 150 Kbps
256 Kbps DSL / ケーブル モデム 225 Kbps
384 Kbps DSL / ケーブル モデム 350 Kbps
512 Kbps DSL / ケーブル モデム 450 Kbps
786 Kbps DSL / ケーブル モデム 700 Kbps

直接制御可能なビデオ品質要素

与えられたデータ割り当ての範囲で、次の要素にデータを使用する必要があります。

間接的に影響を与えるビデオ品質要素

以下の品質要素は、直接設定を行うことはできません。 その代わり、作成者が行うそれ以外の設定が、エンコードされたクリップにおける各要素に影響を与えます。 一般的には、適切な作成手順に従うこと、および直接制御可能な要素に対して適切な選択をすることにより、これらの要素との関連においても良い品質を得ることができます。

サウンドトラックの帯域幅

RealVideo はビデオのサウンドトラックをエンコードするために RealAudio を使用します。 そのため、クリップの帯域幅の相当部分がまずオーディオに使われます。 映像トラックは、残りの帯域幅に合わせて圧縮されます。 たとえば 56 Kbps モデムの場合、RealVideo クリップは 34 Kbps でストリームされます。 残りの 22 Kbps のモデム帯域幅はオーバーヘッド用に確保されます。 映像トラックが使用する帯域幅は、オーディオのエンコード方法によって決定されます。 サウンドトラックに 8 Kbps の RealAudio 音声コーデックを用いると、映像トラックは 26 Kbps の帯域幅を使用できます。 しかし 16 Kbps のミュージック コーデックを用いると、映像トラックは 18 Kbps しか使用できません。

56 Kbps の RealVideo クリップで可能なオーディオ トラックと映像トラックの組み合わせ

56 Kbps の RealVideo クリップで可能なオーディオ トラックと映像トラックの組み合わせ

低帯域幅では、サウンドトラックのエンコード方法が、映像トラックの品質に大きく影響します。 一般的にミュージック コーデックは音声コーデックよりも広い帯域幅を必要とします。 音楽のより広範囲な周波数は音声よりも多くのデータを必要とします。 そのため、音楽のサウンドトラックは音声のサウンドトラックよりも大量の帯域幅を消費します。 ナレーションを含んだビデオと音楽を含んだビデオを比較した場合、映像トラックでより多くの帯域幅を使用できるために、ナレーションを含んだビデオのほうが高品質に見えます。

高帯域幅では、使用可能なクリップ データ内でサウンドトラックの占める割合が低くなるため、サウンドトラックのエンコード方法が映像品質に与える影響は比較的小さくなります。 100 Kbps を超える速度では、高品質のサウンドであっても消費する帯域幅はクリップ全体の 4 分の 1 以下です。 次の表では、固定ビットレートの RealVideo ストリームに対する標準的な対象視聴者を取り上げ、クリップのストリーミング速度と、サウンドトラックに使用されるオーディオ タイプ別の RealAudio コーデックを視聴者ごとに示しています。

RealVideo クリップ ストリーミング用のオーディオ コーデック
対象視聴者 クリップ速度 音声コーデック ミュージック コーデック
28.8 Kbps モデム 20 Kbps 6.5 Kbps 音声 8 Kbps ミュージック - RealAudio
56 Kbps モデム 34 Kbps
64 Kbps シングル ISDN 50 Kbps 8.5 Kbps 音声 11 Kbps ミュージック - RealAudio
128 Kbps デュアル ISDN 100 Kbps 16 Kbps 音声 20 Kbps ミュージック - RealAudio
社内 LAN 150 Kbps 32 Kbps 音声 32 Kbps ステレオ ミュージック 高レスポンス - RealAudio
256 Kbps DSL / ケーブル モデム 225 Kbps 44 Kbps ステレオ ミュージック 高レスポンス - RealAudio
384 Kbps DSL / ケーブル モデム 350 Kbps 64 Kbps 音声 64 Kbps ステレオ ミュージック - RealAudio
512 Kbps DSL / ケーブル モデム 450 Kbps 96 Kbps ステレオ ミュージック - RealAudio
768 Kbps DSL / ケーブル モデム 700 Kbps

エンコードされるフレーム レート

RealProducer がクリップを圧縮する方法の 1 つは、入力ビデオのフレーム レートを下げることです。 RealProducer の視聴者にはそれぞれ目標フレーム レートがあります。 これは一般的に 15 または 30 fps (フレーム / 秒) です。 広帯域レートでエンコードされるクリップは通常、目標フレーム レートを達成できます。 低速度のストリーミングでは、RealProducer は目標レートでのエンコーディングを試みますが、ビデオのサイズや視聴者の帯域幅といったほかの要因に基づき、必要に応じてレートを低くします。 したがって、こうした状況ではフレーム レートを厳密に制御することはできませんが、適切な作成手順を実行することによって結果としてフレーム レートを高くすることは可能です。

フレーム レートとモーション

フレーム レートが高いほど、ビデオのモーションはスムーズになります。

フレーム レートに影響を与える要素

ほとんどのソース ビデオは、元の状態では 15 〜 30 fps です。 エンコード処理中、RealVideo は必要に応じて調整を行いこのフレーム レートを下げます。 したがって、エンコードされたクリップは単一のフレーム レートのみを持つのではなく、コンテンツに応じて切り替わる複数のフレーム レートを持ちます。 適切な作成手順を実行している場合、通常クリップは低中速の接続で 7 〜 15 fps でストリームされます。 より高速の接続では、オーディエンスに設定された最大値である 15 〜 30 fps になるでしょう。 なお、RealVideo クリップのフレーム レートに影響を与える帯域幅以外の要因としては、次のようなものがあります。

映像の明瞭さ

RealVideo は、フレーム レートを下げる以外に、ピクセル データを削除することによってもクリップを圧縮します。 ビデオにはフレーム中の全ピクセルの情報が格納されています。 一方、RealVideo にはピクセル グループの情報が格納されています。 帯域幅に余裕がない場合、RealVideo は RGB の値が少しだけ異なるピクセルを同一のグループにまとめます。 結果として、これらのピクセルは「ほとんど同じ」というよりは「まったく同じ」に見えます。 圧縮率があまりに高い場合は、これによってビデオの細部が損なわれる可能性があります。 次の図は、スムーズなビデオと、あまりに圧縮率が高いために細部が損なわれたビデオとを比較したものです。

スムーズなビデオと歪んだビデオ

スムーズなビデオと歪んだビデオ

帯域幅はクリップの映像の明瞭さに影響をおよぼす最大の要因です。 この章で説明する適切な作成手順を実行することにより、エンコーディング処理においてビデオの明瞭さを維持することができます。 また、次の点にも注意を払ってください。

RealVideo コーデック

RealProducer 10 がデフォルトで使用するコーデックは RealVideo 10 です。RealProducer Plus を使用する場合は、以前のバージョンの RealVideo コーデックでエンコードを行うことも可能です。 RealNetworks では、ブロードキャストのために高速なエンコーディングが必要である場合、またはビデオを RealPlayer 8 にストリームする必要がある場合を除いて、RealVideo 10 の使用を推奨しています。

詳細情報 : ビデオ コーデックのコンプレキシティ モードがビデオ品質に与える影響については、「エンコーディング コンプレキシティ モード」を参照してください。

RealVideo 10 コーデック

RealVideo 10 コーデックは最高品質の圧縮ビデオを作成します。 RealVideo 10 は RealVideo 9 と RealVideo 8 に比較して高品質の映像を提供します。 特に、動きの速いシーンや画面に表示されるテキストで優れた画質を実現します。 RealVideo 10 は従来のコーデックよりも複雑なビデオ データの分析を行うため、エンコーディングには RealVideo 9 と比較して 2 倍以上の時間がかかる場合があります。 こうしたエンコーディングの所要時間を短縮し、ライブ ブロードキャストの品質を改善するため、RealProducer には次のような機能が備わっています。

RealVideo 10 は、RealOne Player およびそれ以降のプレーヤーと互換性があります。 それ以前のバージョンの RealPlayer ユーザが RealVideo 11 コンテンツを再生しようとすると、RealPlayer 10 へのアップデートを求めるプロンプトが表示されます。 RealVideo 10 コンテンツの再生により消費されるコンピュータのシステム リソースは RealVideo 9 コンテンツの再生の場合と同じです。 したがって、視聴者は RealVideo 10 クリップの再生時に、RealVideo 9 と比較してパフォーマンスの低下を感じることはありません。

RealVideo 9 コーデック

RealVideo 9 はより高い圧縮および映像品質という点において、RealVideo 8 から改良されています。 RealVideo 9 クリップは、RealOne Player 以降のプレーヤーで再生可能です。 それ以前のバージョンの RealPlayer のユーザが RealVideo 9 クリップを再生しようとすると、RealPlayer 11 へのアップデートを求めるプロンプトが表示されます。 RealVideo 9 は、RealProducer Basic では使用できません。

RealVideo 8 コーデック

RealVideo 8 コーデックは RealPlayer 8 と下位互換性があります。 ビデオ品質は RealVideo 9 および RealVideo 10 には劣りますが、エンコードはより高速です。 さらに RealVideo 8 は、クリップの復元において RealPlayer を実行するコンピュータのリソースをそれほど要求しません。 したがって、携帯用のモバイル機器などの低速なプロセッサには RealVideo 8 が適しています。 RealVideo 8 は、RealProducer Basic では使用できません。

固定ビット レート ビデオ

RealVideo クリップを作成する際には、固定ビット レート (CBR) または可変ビット レート (VBR) のいずれかを選択できます。 RealProducer では、各オーディエンス テンプレートは CBR か VBR のいずれかです。 CBR エンコーディングは、VBR より以前から使用されている、ストリーミング ビデオのエンコーディング方法です。 この方法では、ストリームに対して常に一定のビット レートが維持されます。 たとえば、56 Kbps モデムへのストリームでは常に 34 Kbps が維持されます。 350 Kbps より低い帯域幅でのストリーミングを行う場合や、SureStream を用いて複数の帯域幅を単一のクリップまたはブロードキャストにエンコードしたい場合は、通常 CBR ビデオを使用する必要があります。 一方、高帯域幅では CBR ビデオまたは VBR ビデオのどちらも使用できます。

SureStream CBR クリップ

SureStream テクノロジを使用すると、単一の固定ビット レートの RealAudio/RealVideo クリップを複数の帯域幅に対してエンコードすることができます。 たとえば、単一の RealVideo クリップを、56 Kbps モデム、112 Kbps デュアル ISDN 、256 Kbps DSL などの複数の帯域幅に対してエンコードすることが可能です。 速度が高くなるほど、クリップの再生品質は向上します。 下の図で示すように、視聴者が SureStream クリップへのリンクをクリックすると、RealPlayer および Helix Server は、使用可能な帯域幅に基づいて使用するストリームを決定します。

複数の帯域幅に対してエンコードされた SureStream クリップ

複数の帯域幅に対してエンコードされた SureStream クリップ

SureStream クリップにストリームを追加するごとにクリップのファイル サイズは増加し、エンコードに要する時間が長くなります。 高帯域幅用のエンコーディングにはより大量のデータが含まれるため、高帯域幅用ストリームの追加は低帯域幅用ストリームの追加に比較してクリップのファイル サイズを増加させます。 「ブロードキャストの負荷管理」で説明するように、エンコーディングの所要時間はライブ ブロードキャストでは重要な問題になります。 したがって、オーディエンスの選択は注意深く行う必要があります。

備考 : 選択された RealVideo コーデックによって SureStream クリップに含まれるすべてのストリームがエンコードされます。 ストリームのうちの半分を RealVideo 10 コーデックでエンコードし、残りの半分を RealVideo 8 コーデックでエンコードするといったようなことはできません。

低速化および高速化

Helix Server および RealPlayer では、ネットワークの状態に応じてストリームを切り替えることができます。 ネットワーク通信量の増加によって接続速度が低下した場合、Helix Server は低帯域幅用ストリームに切り替えてプレゼンテーションの停止を防ぎます。 輻輳が解消されれた時点で、Helix Server は高帯域幅用ストリームへ再び切り替えます。 この切り替えの間、RealPlayer はデータの再バッファを行う必要はありません。

ネットワーク輻輳時の帯域幅の切り替え

ネットワーク輻輳時の帯域幅の切り替え

備考 : RealAudio Lossless コーデックは例外となりますが、それ以外のすべての RealAudio コーデックは固定ビット レート エンコーディングを使用します。 したがって、ロスレス ストリームを除くすべてのオーディオ ストリームは、ビデオのサウンドトラックとして、あるいはオーディオのみの音声 / ミュージックとして SureStream クリップに含めることが可能です。

SureStream のサブストリーム

SureStream はネットワーク輻輳時に低速化を実行できるため、CBR クリップに 1 つまたは複数のサブストリームを常に含めておくのは適切なことです。 サブストリームとは、単に対象とする視聴者の帯域幅より低速の帯域幅でエンコードされたストリームのことを指します。 RealProducer には、次に示すように、あらかじめ定義された 3 つのサブストリーム オーディエンスがあります。 そのうち 2 つは 28 Kbps モデム用で、1 つは 56 Kbps モデム用です。

モデムの帯域幅は大きく変動する可能性があるため、サブストリームは特にモデム ユーザにとって重要です。 56 Kbps モデムのオーディエンスに対して、56 Kbps モデムのテンプレートはビデオを 34 Kbps でエンコードします。 SureStream クリップが 26 Kbps のサブストリームを含んでいる場合、ユーザの利用可能な帯域幅が 34 Kbps を下回った時点で、ビデオは 26 Kbps のストリームに低速化します。 クリップは必要に応じて、より低速のサブストリームへの切り替えを継続します。 これにより、ネットワークの輻輳時であってもプレゼンテーションはストリームを続けることができます。

RealProducer は特定のオーディエンス テンプレートを「サブストリーム」と名付けています。 それは、該当のオーディエンスがクリップの主なストリーム対象ではないためです。 ただし、すべての CBR オーディエンスは、より高帯域幅のオーディエンスのサブストリームとしても機能します。 たとえば、ISDN でのストリームを想定していないクリップの場合でも、150k LAN ユーザのサブストリームとして 64k Single ISDN オーディエンスを含めることなどが可能です。 ただし、サブストリームを効果的に使用するためには、主要なオーディエンスとの速度差を 100 Kbps 以内にする必要があります。

可変ビット レート ビデオ

一般的に、可変ビット レート (VBR) エンコーディングを使用した場合のビデオ品質は、固定ビット レート (CBR) エンコーディングを使用した場合よりも優れたものになります。 VBR は圧縮の難しいシーンに対して優先的に帯域幅を与えるため、動きが速く、アクションの多いビデオでは品質の差が最も顕著になります。 VBR でエンコードされたクリップは、ファイル拡張子 .rmvb を使用します。 なお、VBR は SureStream テクノロジと互換性がありません。 そのため VBR クリップは 1 つの帯域幅に対してのみエンコードが可能です。 VBR エンコーディングは 350 Kbps 以上の帯域幅に適しています。

VBR クリップの単一ビット レート

VBR クリップの単一ビット レート

CBR クリップとは異なり、VBR クリップでは一定のストリーミング レートは維持されません。 その代わり、VBR クリップには目標平均ビット レート (品質) および最大ビット レートが存在します。 たとえば、RealProducer の 450 Kbps VBR ダウンロード オーディエンスのデータは、平均で毎秒 450 キロビットです。 しかし、このオーディエンスの最大値は 900 Kbps となっています。 これは、ストリームが必要に応じて最大で毎秒 900 キロビットを使用できるということを示しています。 そのようなデータの急激な増加は動きの激しいシーンで起こりますが、結果として CBR エンコーディングよりも明瞭なビデオとより高いフレーム レートが得られます。

ヒント : RealProducer では、VBR エンコーディングを使用するオーディエンス テンプレートには名前の部分に「VBR」という表示があります。 テンプレートに「VBR」という表示がなければ、それは CBR テンプレートです。

詳細情報 : 2 パス エンコーディングは、高品質の VBR ファイルを作成するうえで重要なコンポーネントです。 詳細については、「2 パス エンコーディング」を参照してください。

ダウンロード用の VBR クリップ

VBR クリップは CBR クリップよりもダウンロードに適しています。 ダウンロードの場合は視聴者が再生の前にクリップ全体をダウンロードするため、VBR クリップ固有の使用帯域幅の急増による再生時の問題は起こりません。 ダウンロード用にクリップをエンコーディングする場合、VBR のエンコーディング速度を品質およびファイル サイズの目安として考えることができます。 たとえば、450 Kbps VBR ダウンロードは、一般的に 750 Kbps VBR ダウンロードよりも低品質であり、ファイル サイズは小さくなります。

ヒント : 品質はソース コンテンツにも依存します。 たとえば、比較的動きが少なくサイズが小さいビデオの場合は、750 Kbps VBR エンコーディングと 450 Kbps VBR エンコーディングの差はそれほど目立ちません。

ストリーミングとブロードキャスト用の VBR クリップ

VBR オーディエンス テンプレートはビデオのダウンロードに最適ですが、クリップのストリーミングやライブ イベントのブロードキャストに VBR エンコーディングを使用することもできます。 ストリーミングやブロードキャストに VBR を使用する主な理由は、VBR が CBR よりも品質面で優れているということです。 たとえば、コンテンツによっては、350 Kbps VBR ストリームの映像品質が 450 Kbps でエンコードされた CBR ストリームとほぼ同等の場合があります。

VBR の長所を利用するには、ストリーミングで使用するネットワークが一時的な帯域幅の急増に対応している必要があります。 LAN (ローカル エリア ネットワーク) およびケーブル モデムのユーザは、VBR ストリーミングの対象として最適です。 これは、ネットワーク内ですべてのユーザが大きい帯域幅のプールを共有しているために、VBR クリップで断続的に使用帯域幅の急増が発生した場合も、特定の視聴者の接続帯域幅は過負荷になりにくいという理由によります。 DSL のように帯域幅が共有されていない接続では問題が発生する可能性があります。 たとえば、450 Kbps VBR クリップの最大帯域幅は 900 Kbps です。 ここで DSL 接続の最大スループットが 500 Kbps ならば、VBR クリップは中断される可能性があります。

収録済みの VBR クリップをオンデマンドでストリームする場合、一般的に各視聴者は異なった時間に再生を開始します。 したがって、VBR クリップに固有の帯域幅の一時的な急増は、すべての視聴者に関して時間的に分散された形で発生します。 しかし VBR ストリームをブロードキャストする場合は、帯域幅の急増は各視聴者に同時に起こります。 このため、ブロードキャストの場合、ネットワークでは収録済みのクリップをストリームする場合に比べて、累積的な帯域幅の急増に基づく負荷を大量に処理する必要があります。

備考 : VBR クリップのストリーミングを行うには、Helix Server バージョン 9 以降が必要です。

ヒント : 一部のイントラネットで使用可能なマルチキャストでは、各視聴者に個別にストリームを配信するのではなく、単一のストリームを全視聴者に配信することにより、標準的なユニキャストの場合に起こる帯域幅の急増を回避することができます。 詳細については、『Helix Universal Server アドミニストレーション ガイド』の「マルチキャスト」の章を参照してください。

VBR エンコーディング設定

VBR の各オーディエンス テンプレートにおいて、クリップまたはブロードキャストのエンコード方法に影響を与える 3 つの設定があります。 Maximum bit rate (最大ビット レート)、Average bit rate (平均ビット レート)、および Quality (品質)です。 VBR の各クリップは、この 3 つの中から 2 つの設定を用いてデータのエンコード方法を決定します。 希望どおりの VBR クリップを作成するためには、これらの設定の関係を理解することが重要です。

詳細情報 : グラフィカル アプリケーションを用いて VBR エンコーディング設定を変更する方法については、「オーディエンスの作成と編集」セクションで説明しています。

ヒント : オーディエンス テンプレートでは、上記に加えて vbrUnconstrainedQualityvbrUnconstrainedBitrate という 2 種類の VBR エンコーディング方法を定義することができます。 オーディエンス テンプレートでの VBR プロパティの設定に関する情報は、「ビデオ ストリーム プロパティ」を参照してください。

Average Bit Rate (平均ビット レート)

VBR クリップの平均ビット レートの値は、クリップの平均帯域幅を示しており、消費される全キロビット数をタイムラインの秒数で割った値で表されます。 クリップ再生中の任意の時点で実際の帯域幅を確認すると、この値より低い場合も高い場合もあります。 しかし、ビデオを通してみると、多くの場合各時点の使用帯域幅はこの値に近いものです。

Maximum Bit Rate (最大ビット レート)

VBR クリップの最大ビット レートは、各クリップで使用可能な帯域幅の上限を定めます。 最大ビット レートは、一般的にはデフォルトで平均ビット レートの 2 倍に設定されています。 たとえば、450 Kbps VBR クリップの最大帯域幅は 900 Kbps です。 したがって、このオーディエンスによってエンコードされたビデオでは、動きの激しいシーンなどで最大 900 Kbps までの帯域幅の急増が発生する可能性があります。 ただし、このような帯域幅の急増はまれに起こるだけで、全体としてのクリップの再生レートは平均ビット レートに近いものとなります。

最大ビット レートはより高く、またはより低く設定することが可能ですが、レートを高くすることによって品質が著しく向上することはありません。 ネットワークでの帯域幅の急増を抑制したい場合は、最大ビット レートの設定を低くします。 しかし、最大値を低くすると VBR エンコーディングの効果が減少する点に注意してください。 最大ビット レートの値が平均ビット レートの値に近づくと、クリップの動作は CBR クリップの動作に類似するようになります。

ヒント : 最大ビット レートは平均ビット レートの設定値よりも 50 〜 100% 高い値に保つようにしてください。 たとえば、450 Kbps のテンプレートでは、最大ビット レートは 675 〜 900 Kbps に設定します。

Quality (品質)

品質の設定には、エンコーディング処理の映像品質の水準を一定にするという目的があります。 たとえば、100% の品質を設定すると、RealProducer は入力の映像品質をほぼ完全に再現しようと試みます。 より低い品質、たとえば 90% または 80% では、映像の欠陥が増える可能性はありますが、クリップのサイズはより小さくなり使用する帯域幅も減少します。 なお、品質の設定はコンテンツの忠実な再現を必ずしも保証するものではない点に注意してください。 この設定は、ビデオのサイズ、目標フレーム レート、コンテンツのタイプ、最大ビット レートといった入力の制約の範囲内での品質水準を達成しようとするものです。

品質設定に基づいてエンコーディングを行う場合、平均ビット レートは大きく変動する可能性があります。 このため、平均ビット レートの設定は無視されます (つまり、平均ビット レートの設定と品質設定は排他的であり、どちらか 1 つの設定のみを使用することができます)。 たとえば、最大ビット レートを 900 Kbps、品質を 100% に設定した場合、平均ビット レートは 900 Kbps に近い値になるかもしれません。 目標とする品質を低くする、たとえば 80% を設定すると、平均ビット レートは低くなる可能性があります。 ただし、実際の平均ビット レートはコンテンツによって大きく異なり、クリップごとに違う値となります。

平均ビット レートが大きく変動するという理由により、品質に基づくエンコーディングはダウンロード クリップに適していると言えます。 ただし、指定された最大帯域幅を各ユーザに提供できる容量をネットワークが持っている場合は、品質に基づいてエンコードされたクリップをストリーミングやブロードキャストに使用することができます。 一般的に、各ストリームでは設定よりも少ない帯域幅を使用します。 また、クリップの平均帯域幅はキロビット単位で示されたファイル サイズをタイムラインの秒数で割ることによって計算できます。 しかし、ライブ ブロードキャストの場合は、品質に基づいてエンコードされたストリームの平均帯域幅を事前に確認することはできません。

ヒント : VBR オーディエンス テンプレートを編集することにより、ビット レートと品質の関係を変更することができます。 「ストリームのエンコーディング タイプ」を参照してください。

ビデオ撮影のヒント

このセクションでは、既存のビデオ コンテンツを使用するのではなく、新たにビデオ撮影を行う場合に高品質の入力をキャプチャするためのヒントを提供します。 ビデオは高圧縮されると画質が損なわれるため、常に入手可能な最良のビデオ ソースから作業を開始するようにしてください。

詳細情報 : オーディオのレコーディングに関するヒントは、「オーディオ キャプチャ」を参照してください。

ビデオ撮影の準備

最初のフレームの撮影を開始する前に、最終的なフレーム サイズを考慮する必要があります。 56 Kbps モデムでストリーミングする場合は、ビデオ ウィンドウは小さくなります。 したがって、重要な映像要素がフレームに収まるよう注意が必要です。 推奨されるクリップのサイズに関しては、「エンコード時のビデオのサイズ」を参照してください。

シーンの変化と動き

低帯域幅のビデオでは、フレーム間での変化が少ないほどイメージは鮮明になります。 次のような対応をとることにより、不必要な動きを減らすことができます。

もちろん、動的な要素をすべて排除するということではありません。 速い動きを収録する場合は、オブジェクトの解像処理の時間を十分に考慮する必要があります。 フレーム レートの低さや高圧縮が原因で、取り込まれたオブジェクトは、最初はぼやけて見える場合があります。 たとえば、コンピュータ スクリーンにダイアログ ボックスがポップ アップするシーンでは、イメージの解像処理が済むまで、2 〜 3 秒間そのダイアログ ボックスを静止状態にする必要があります。

色と照明

明るい照明下での一定した露光により、前景の細部を明瞭に保つことができます。 背景には単調で暗めの色を用い、衣類には白以外の単調で明るい色を用いてください。 ペイズリーなどの複雑な模様やストライプの入った布地は、不必要な視覚的効果を与えるため最終的なイメージの品質が損なわれます。

ビデオ出力

ビデオ再生機器には、通常少なくとも S-Video および Composite という 2 つのタイプの標準的な出力が備わっています。 相対的に出力が良質な S-Video を使用してください。 専門家向けの機器では、通常上記の出力のほかに、ビデオ キャプチャ カードへの接続が可能な高品質の出力モードが備わっています。

色深度

常に 24 ビットまたは 32 ビット カラーを使用してください。 これよりも低い色解像度を使用すると、クリップの品質が損なわれます。

ソース メディアの品質

ビデオを自分自身で撮影する場合も既存の素材をデジタル化する場合も、高品質のビデオ メディアから作業を始めるようにしてください。 次に、標準的なビデオ形式を高品質のものから順にリストします。

  1. HDV
  2. ベータカム SP。 単に「ベータ」としても知られています。 この形式はビデオ制作の専門家の間では一般的です。
  3. DV、miniDV、DVCAM、DVCPRO
  4. Super-VHS (S-VHS)、Hi-8mm
  5. VHS、8mm

ビデオ キャプチャ

後続のセクションでは、ビデオ入力をデジタル化されたファイルにキャプチャする際、またビデオをストリーミング クリップまたはダウンロード可能なクリップにエンコードする際に、それぞれ推奨されるフレーム レートおよびビデオ サイズに関して説明します。 キャプチャ ソースから直接エンコーディングする場合は、最初の入力ファイルの作成は行いません。 一方、エンコード済み出力のサイズを正しく選択することは、高品質のクリップやブロードキャストを作成するために重要です。

詳細情報 : サイズ、帯域幅、フレーム レート、映像の明瞭さの関係については、「良質のストリーミング ビデオ作成のための要素」を参照してください。

ビデオ キャプチャのサイズ

ビデオを AVI や MPEG などのデジタル化されたファイルにキャプチャする場合は、RealProducer でエンコードを行う前にビデオ編集ソフトウェアを使用してビデオを編集することができます。 この場合、空きディスク容量が不足しているか、ビデオ キャプチャ カードで別のサイズが推奨されている場合を除いて、ビデオは幅 320 × 高さ 240 ピクセルでデジタル化します。

フルスクリーン キャプチャ

次の条件がすべて当てはまる場合は、フルモーション ビデオを 640 × 480 ピクセルのフルスクリーン サイズでキャプチャすることもできます。

ビデオ キャプチャのフレーム レート

クリップを 150 Kbps より低い帯域幅でストリームする場合は、最初にコンテンツをソース ファイルにキャプチャする際、15 fps でビデオをデジタル化してください。 このような低速の帯域幅では、RealProducer の標準的なオーディエンスがエンコードを行う最大レートは 15 fps です。 速度が 150 Kbps 以上であれば、RealProducer は最大 30 fps でのエンコードが可能であるため、ソース入力を 30 fps でキャプチャすることをお勧めします。

詳細情報 : エンコードされたクリップのフレーム レートに関する詳細は、「エンコードされるフレーム レート」を参照してください。

コンピュータの処理速度と空きディスク容量

ビデオ キャプチャはコンピュータの CPU およびハード ドライブに大きな負荷をかけるため、利用可能なコンピュータの中で最速のものを使用してください。 Windows コンピュータでは、Video for Windows または DirectShow をサポートする任意のビデオ キャプチャ カードが使用できます。

ビデオ キャプチャのディスク容量要件

デジタル化されたビデオ ファイルのサイズの概算値 (MB) を計算する場合、次の計算式を使用します。

幅 (ピクセル) x 高さ (ピクセル) x 色深度 (ビット) x fps x 接続時間 (秒)
8,000,000

3 分間のビデオを 15 fps、24 ビット カラー、320 × 240 ピクセルのウィンドウ サイズという条件でキャプチャすると仮定します。 この場合、次の計算式から確認できるように、デジタル化されたソース ファイルは約 622 MB となります。

(320) x (240) x (24) x (15) x (180) / 8,000,000 = 622 MB

必要に応じて、クリップのサイズまたはフレーム レートのいずれか、あるいはその両方を小さくすることでディスク容量を節約できます。

ビデオ ソース ファイル サイズの上限

コンピュータ ファイル システムで、単一のファイル サイズの上限が 2 GB (2,048 MB) に規定されている場合があります。 この場合、320 × 240 のサイズ、15 fps という条件では、ビデオの長さは約 9.5 分となります。 ビデオ作成プログラムの中には、2 GB より大きいファイルの作成が可能な OpenDML (AVI 2.0) 標準をサポートしているものがあります。 ファイルを作成するプログラムを選択することによって、RealProducer で 2 GB を超えるビデオ ソースを入力として利用することも可能になります。

長時間のビデオや大画面のビデオを作成する場合は、使用するビデオ作成プログラムに 2 GB という出力ファイル サイズの上限があるかどうか確認してください。 2 GB の上限がない場合は、2 GB より大きいサイズでビデオ ファイルを作成し、RealProducer がそのファイルを入力として使用できるかテストしてください。

ヒント : ビデオ ソース ファイルに 2 GB の上限があり、かつ、その上限よりも大きいサイズのビデオを作成する必要がある場合は、2 GB 以下のビデオ ソース ファイルを複数作成し、それらを個別の RealVideo クリップとしてエンコードしてください。 その後、RealMedia Editor を使用してクリップをマージします (詳細は第 12 章を参照)。

エンコード時のビデオのサイズ

ビデオをデジタル化された入力クリップにキャプチャする場合、品質を可能な限り保持するためには、通常、最大サイズでのキャプチャを行います。 しかし、ファイルを RealVideo としてエンコードする場合は、ビデオのサイズを小さくする必要があるかもしれません。 対象とする帯域幅に対して指定されたサイズが大きすぎる場合、フレーム レートの低下や、映像内に多数のアーティファクトが発生することがあります。 その結果、ビデオの動きがぎくしゃくしたものになったり、映像がぼやけます。

ビデオのサイズを指定する際は、デジタル化されたソースの縦横比を維持するという点を除いて、特にルールはありません。 エンコード時のサイズ選択における主要な考慮事項は帯域幅ですが、それ以外にも品質に影響を与える要因はあります。 たとえば、動きの速いクリップでは、高いフレーム レートを維持するために、動きの遅いクリップと比較してサイズを小さく設定する必要があります。

詳細情報 : ビデオのサイズを変更する場合、ビデオ編集ソフトウェアを使用してソース ファイルを編集します。 または、RealVideo クリップをエンコードする際に、切り取りやサイズ変更を実行することができます。 サイズ変更の詳細については、「サイズ変更フィルタ」を参照してください。

デスクトップで推奨されるビデオのサイズ

デスクトップ メディアのプレーヤーへのストリーミング用にエンコードされるビデオの多くは、標準的なコンピュータ モニタのサイズに対応する 4:3 の縦横比を使用しています。 対象視聴者の帯域幅に基づいた、エンコード後のビデオ サイズの標準的な推奨値について、次に解説します。

モバイル機器で推奨されるビデオのサイズ

PDA やスマートフォンといったモバイル機器の場合、機器ごとにスクリーン サイズが異なっている可能性があります。 したがって、対象とする機器の仕様を把握することが有用です。 多くのスマートフォンの画面解像度は、通常 176 × 144 ピクセルです。 このサイズの縦横比は、テレビや DTV (デスクトップ ビデオ) では一般的である 4:3 とは異なります。 320 × 240 ピクセルといった、このサイズより大きい、4:3 の縦横比を持つソースから作業を始める場合には、次の 2 つの方法が考えられます。

高帯域幅と低帯域幅のストリーミング視聴者

ビデオ クリップまたはブロードキャストを、低帯域幅および高帯域幅の両視聴者に対してエンコードしたい場合は、次の 2 種類の方法が可能です。

RealMedia ファイルのサイズ

ビデオ ソース ファイル サイズの上限」で説明したように、オペレーティング システムのファイル システムに基づくファイル サイズの上限は、通常、エンコード時よりもビデオのキャプチャ時により重要な問題となります。 圧縮された RealVideo クリップは、多くの場合、入力クリップよりも小さくなります。 しかし、次のような場合には、RealVideo クリップのサイズがオペレーティング システムの上限を超過する可能性があります。

クリップがオペレーティング システムのファイル サイズの上限に達した場合、RealProducer は自動的に新しいクリップの作成、つまりロールを実行します。 新しいクリップは元のクリップと同じ名前を使用しますが、ファイル名に番号が付加されます。 たとえば、movie.rm のサイズがオペレーティング システムの上限に達した場合、ロールが実行され、movie.rm に対して movie1.rm が作成されます。 クリップ movie1.rm が上限を超えると、ロールが実行され、movie2.rm が作成されます。 それ以降も同様です。

詳細情報 : コマンド ライン アプリケーションを使用する、またはジョブ ファイルを編集することによって、ロールを行うファイル サイズの上限を低くすることや、ロールを行う時間を設定する (15 分ごとなど) ことが可能です。 ジョブ ファイルに関する情報は、「ファイルの宛先」を参照してください。 コマンド ラインのオプションについては、「出力と宛先のオプション」で説明しています。

ヒント : Ram ファイルや SMIL ファイルを使用して、ロールによって作成されたファイルを単一のシーケンスに結合することができます。 ただし、ファイル間の処理はシームレスに実行されないことがあり、その場合オーディオとビデオのずれが発生します。 クリップ シーケンスの作成に関する情報は、『ストリーミング メディア入門』または『RealNetworks プロダクション ガイド』を参照してください。

RealVideo フィルタ

RealProducer には、エンコードされたクリップの再生品質を改善するためのビデオ フィルタがあります。 フィルタを用いる場合、各タイプのフィルタをどの時点で使用すべきか把握しておく必要があります。 一部のフィルタでは、不適切な使用によって、ビデオの品質が低下する可能性があります。 また、エンコーディングの所要時間を非常に長くしてしまうフィルタもあります。

詳細情報 : コマンド ライン アプリケーションでフィルタを使用する方法については、「プレフィルタのオプション」を参照してください。 ジョブ ファイルでのフィルタの定義についての情報は、「プレフィルタ」を参照してください。

ノイズ フィルタ

ビデオ作成の一連のチェーンにおいて、品質の低い一部の構成要素によってビデオ ノイズという副産物が生み出されることがあります。 このビデオ ノイズは、オーディオ品質に影響を与えるものではありませんが、エンコードされたクリップの歪みの原因となる場合があります。 この歪みは、アンテナで受信されるテレビ信号でよく見られる「スノー」(白いちらつき) に類似したものです。 一般的にはノイズの原因は、ビデオ テープ、キャプチャ カード、カメラといったハードウェアです。 高品質の機器およびメディアを使用することにより、ノイズをその根本で除去することが可能です。 作業を開始するソース ビデオの品質が高ければ、ノイズ フィルタの必要はありません。

詳細情報 : ビデオ ノイズ」セクションで、グラフィカル アプリケーションを使用してこのフィルタを適用する方法について説明しています。

低ノイズ フィルタ

入力ビデオに少量のノイズがある場合は、低ノイズ フィルタを有効にしてください。 低ノイズ フィルタは処理能力に大きな負荷をかけず、またビデオの再生品質が損なわれることもないため、常に有効にしておいても問題はありません。 ただし、実際は、必要な場合にのみ使用することをお勧めします。

高ノイズ フィルタ

ノイズによってソース ビデオに著しい歪みが発生している場合は、高ノイズ フィルタを適用します。 しかし、エンコーディング時間が 30% 以上長くなる可能性があるため、必要な場合に限って適用してください。 また、高ノイズ フィルタは細部にわたって除去を行うため、非常に質感のある表面をなめらかなものに変更する可能性があります。

サイズ変更フィルタ

RealProducer のサイズ変更フィルタを使用して、エンコード時にビデオの切り取りやサイズ変更を行うことが可能です。 このフィルタでは、高速サイズ変更または高品質サイズ変更のいずれかのオプションが選択できます。 サイズ変更のこれらのオプションは、ビデオのサイズを小さくする場合にのみ適用されます。 サイズ変更、または切り取り適用後のビデオの最小サイズは 32 × 32 ピクセルです。 サイズ変更、または切り取り適用後のビデオの幅および高さは、160 ピクセル、240 ピクセルといった 4 の倍数になります。

RealProducer では、高速に実行する方法 (高速サイズ変更)、または高度な分析を用いて実行する方法 (高品質サイズ変更) のいずれかによって、コンテンツのサイズ変更を行います。 高速サイズ変更では、エンコーディング時間への影響はほとんどありませんが、出力イメージにある程度の歪みが生じる可能性があります。 高品質サイズ変更では、優れた品質のイメージを得ることが可能ですが、サイズ変更の前にビデオ ソースの詳細な分析が行われるため、エンコーディング時間が 2 倍もしくは 3 倍になる可能性があります。 スピードへの影響があるため、ブロードキャストでの高品質サイズ変更フィルタの使用は推奨されません。

ヒント : レターボックス クリップを、標準的な 4:3 の縦横比を持つコンピュータ画面上での表示用にエンコードする場合は、ビデオ イメージの上下にある黒いバーを切り取ってください。 これにより、ビデオ品質が向上します。

詳細情報 : 切り取り」および「ビデオのサイズ変更」の各セクションで、グラフィカル アプリケーションを使用してビデオの切り取りやサイズ変更を行う方法について説明しています。

インバース テレシネ フィルタ

インバース テレシネ フィルタは、NTSC ビデオに変換された映画フィルム用のフィルタです。 映画は通常 24 fps で撮影されます。 一方、NTSC の標準は 30 fps です。 フィルムからビデオの変換は「テレシネ」と呼ばれます。 この処理では、フィールドを部分的に複製することによって、フィルム入力を NTSC のフレーム レートに合わせます。 たとえば、アメリカの映画館で公開され、その後ビデオ化されるフィルムはテレシネ処理されます。

インバース テレシネ フィルタは、フィルムから変換された、フレーム レートが 30 fps の NTSC ビデオをエンコードする場合に使用します。 このフィルタにより冗長なフィールドが除去され、RealProducer はイメージの品質に関する処理のみを行うことができるようになります。 結果として、クリップの全体的な品質が向上します。 インバース テレシネ フィルタはすべての入力に対して使用することが可能ですが、パフォーマンスをわずかながら低下させるため、フィルムから変換された NTSC をソースとする場合に限って使用してください。

備考 : ヨーロッパで広く使用されている PAL ビデオの場合は、24 fps のフィルムから 25 fps の PAL への変換ではテレシネ処理は使用されないため、インバース テレシネ フィルタの必要はありません。

詳細情報 : インタレース除去とインバース テレシネ」セクションで、グラフィカル アプリケーションを使用してこのフィルタを適用する方法について説明しています。

インタレース除去フィルタ

インタレース除去フィルタは、インタレース処理された NTSC ビデオや PAL ビデオのギザギザした質感を除去します。 30 fps で動作するビデオ カメラでは、フィールドの奇数番号の走査線を 60 分の 1 秒でキャプチャし、次の 60 分の 1 秒で偶数番号の走査線をキャプチャします。 その後、両者をインタレース (組み合わせ) してフレームを作成します。 フィールドの走査線の半数が、わずかに遅れてキャプチャされることになるため、動きの速いオブジェクトはギザギザに見える可能性があります。 オブジェクトが 60 分の 1 秒の間に少しだけ動いているからです。 次の図は、このようなギザギザが見られるインタレース ビデオの一部分を示したものです。

インタレース ビデオのギザギザ (詳細)

インタレース ビデオのギザギザ (詳細)

次の図では、インタレース除去フィルタによってギザギザした印象が除去されています。

インタレース除去フィルタで除去されたギザギザ (詳細)

インタレース除去フィルタで除去されたギザギザ (詳細)

インタレース除去フィルタは、エンコーディング速度にはそれほど影響を与えませんが、このフィルタの使用は、240 以上の走査線からなる (キャプチャ サイズの高さが 240 ピクセル以上の) インタレース処理されたソース ビデオに関してのみ有効性を持ちます。 テレビに使用される一般的なソース ビデオには 480 の走査線があります。 240 以下の走査線をキャプチャするビデオ キャプチャ カードでビデオをデジタル化する場合、キャプチャ カードは奇数番号あるいは偶数番号の走査線のいずれかを除外するため、それ自体がインタレース除去となります。 しかし、RealProducer では 240 以下の走査線のビデオにはインタレース除去フィルタが適用されることはないため、インタレース除去フィルタを有効にしておいても問題ありません。

詳細情報 : インタレース除去とインバース テレシネ」セクションで、グラフィカル アプリケーションを使用してこのフィルタを適用する方法について説明しています。

黒レベル補正フィルタ

黒レベル補正フィルタは、黒色に近いピクセルを純粋な黒色に変更し、白色に近いピクセルを純粋な白色に変更することにより、ビデオのコントラストを向上させます。 コントラストの不足により、ビデオの彩度が落ちたように見える場合、このフィルタによってビデオの印象が改善されます。 また、このフィルタは同じ色値を持ったピクセルの数を増加させるため、RealVideo コーデックの効率が向上します。 このフィルタの適用はエンコーディング速度にそれほど大きな影響を与えません。

詳細情報 : 黒レベル補正」セクションで、グラフィカル アプリケーションを使用してこのフィルタを適用する方法について説明しています。

RealVideo オプション

RealVideo の各オプションによって、RealProducer が RealVideo クリップをエンコードする方法を変更することができます。 通常、これらのオプションは各オーディエンス テンプレートごとに個別に変更することが可能です。 RealVideo フィルタの場合と同様に、デフォルトの値を変更する前に各オプションがどのように動作するかを理解しておく必要があります。 オプションの設定が適切に行われない場合、ビデオの品質は低下する可能性があります。

2 パス エンコーディング

2 パス エンコーディングは、デジタル化されたソース ファイルからエンコードを行う場合にのみ使用されます。 このエンコーディングでは、RealProducer はまずソース ビデオ全体を走査しストリーミング クリップを最適にエンコードするための情報を収集します。 その後、 2 回目のパスでストリームをエンコードします。 2 パス エンコーディングによってクリップの品質を著しく向上させることが可能ですが、一方、より長いエンコーディング時間が必要になります。 最初のパスでは、ソース ファイルを単一の対象視聴者用にエンコードする場合と同等の時間がかかります。

2 パス エンコーディングは固定ビット レート エンコーディングの場合にも役立ちますが、「可変ビット レート ビデオ」で解説した可変ビット レート (VBR) エンコーディングの場合には、より大きな利点があります。 2 パス エンコーディングにより、RealProducer はビデオ ファイル全体を分析し、クリップを通して再生ビットレートをどのように変動させるのが最適であるかを判断することができます。 2 パス エンコーディングが使用されない場合、RealProducer はエンコード時にソース ファイルの小さなセクションを順番に分析し、クリップ内に一続きの VBR セクションを作成します。

ヒント : デジタル化されたファイルからエンコードを行う場合は、常に 2 パス エンコーディングを使用してください。 エンコーディング時間を短縮したい場合にのみ、2 パス エンコーディングを無効にしてください。 ライブ入力の使用時は、RealProducer は自動的に 2 パス エンコーディングを無効にします。

詳細情報 : 2 パス エンコーディングの使用」セクションで、グラフィカル アプリケーションを用いて 2 パス エンコーディングを無効にする方法について説明しています。 ジョブ ファイルで直接この機能を設定するための情報に関しては、「ジョブ プロパティ」を参照してください。 「2 パス エンコーディングの無効化 (-dt)」セクションでは、コマンド ライン アプリケーションを用いてこの機能を無効にする方法が説明されています。

エンコーディング コンプレキシティ モード

RealProducer ではエンコーディング コンプレキシティ モードとして、lowmediumhigh を設定できます。 このモード設定は RealVideo 9、RealVideo 10 および RealAudio Lossless の各コーデックに適用されます。 デフォルトのモードである high では、最高の結果を得ることができますが、CPU の負荷は最も高く、エンコードに最も長い時間がかかります。 コンプレキシティ レベルを mediumlow に落とすと、エンコードにかかる時間は短縮されますが、映像品質の低下 (ビデオの場合) またはファイル サイズの増加 (ロスレス オーディオの場合) をもたらします。

RealProducer Plus では、オーディエンス テンプレートの [Advanced Video Options (ビデオ オプションの詳細)] により、ビデオ エンコーディングのコンプレキシティ モードを各オーディエンス テンプレートに対してユーザが定義することが可能です。 また、コマンド ラインを使用してビデオまたはロスレス オーディオに関するコンプレキシティを設定し、その設定をジョブ ファイルに保存することも可能です。 エンコーディング コンプレキシティを設定する場合、次の点に注意してください。

ビデオ スタートアップ レイテンシー

各 RealVideo クリップには、RealPlayer がストリームの受信を開始してからビデオが表示されるまでの時間を決定する、最大スタートアップ レイテンシーの設定があります。 デフォルト値は 4 であり、これは、ストリームが開始されてからビデオのバッファに必要とされる時間が 4 秒以内であることを示します。 ただし、4 秒間という持ち時間には、RealPlayer の起動時間、ホストが Helix Server を検出するまでの時間、リクエストを送信する時間、サーバのレスポンスを受信する時間は含まれていません。

スタートアップ レイテンシーは、必要に応じて、最大 60 秒までの任意の整数値に変更可能です。 特にこれは、動きの激しいシーケンスから開始され、かつ低ビット レートでストリームされるビデオに関して効果的な場合があります。 レイテンシーを長くすると、開始シーケンス用に大きなデータ バッファが作成されるため、一般的にビデオの再生品質が向上します。 しかしその一方で、レイテンシーを長くすると、視聴者の側で再生が待ち切れず、プレゼンテーションが開始される前に視聴をやめてしまう可能性が生じる点に注意してください。

備考 : スタートアップ レイテンシーは、ダウンロード済みクリップの再生開始までの時間には影響を与えません。 ただし、動きの速いシーケンスで開始されるダウンロード済みクリップの映像品質は、スタートアップ レイテンシーを長くすることによって向上します。

詳細情報 : オーディエンスの作成と編集」セクションでは、オーディエンス テンプレートを編集して、この RealVideo オプションを変更する方法について説明しています。 オーディエンス テンプレートで直接この機能を設定するための情報については、「ビデオ ストリーム プロパティ」を参照してください。

最大キー フレーム間隔

圧縮されていないビデオでは、ビデオの各フレームにすべてのデータが記録されています。 15 〜 30 fps の場合、ファイル サイズはすぐに非常に大きなものとなります。 RealVideo クリップを作成する場合、RealProducer はすべてのデータを特定のフレームに対してのみエンコードします。 このフレームをキー フレームと呼びます。 キー フレームの後に続くフレームでは、1 つ前のフレームからの変更内容に関するデータのみがエンコードされます。 キー フレームが生成される頻度は、ビデオ コンテンツに応じて変わってきます。 通常、新しいシーンの最初のフレームには新しいキー フレームが必要です。 また、一般的に、動きの速いビデオでは動きの遅いビデオよりも多くのキー フレームが必要となります。

詳細情報 : オーディエンスの作成と編集」セクションでは、オーディエンス テンプレートを編集して、この RealVideo オプションを変更する方法について説明しています。 オーディエンス テンプレートで直接この機能を設定するための情報については、「ビデオ ストリーム プロパティ」を参照してください。

最大キー フレーム間隔の値を小さくするメリット

オプションとして、オーディエンス テンプレートごとに最大キー フレーム間隔を設定することができます。 最大キー フレーム間隔は、すべてのオーディエンス テンプレートに関してデフォルトで 10 秒です。 これは、RealProducer が少なくとも 10 秒間隔でキー フレームを追加するということを意味します。 しかしほとんどのビデオでは、コンテンツに応じて違いはありますが、これよりも頻繁にキー フレームが生成されています。 多くの場合、このデフォルトの値は変更するべきではありません。 ただし、特定の目的のため、この値を小さくしたいという状況も考えられます。 キー フレームをより頻繁に生成することにより、次のことが可能になります。

最大キー フレーム間隔の値を小さくするデメリット

キー フレームでは他のフレームよりもはるかに多くのデータがエンコードされるため、最大キー フレーム間隔を小さくすると、クリップのファイル サイズの肥大、またはクリップのイメージ品質の低下が発生します。 つまり、最大キー フレーム間隔を小さくすることにより、データ損失に対する復元力は向上しますが、全般的な圧縮効率は低下します。 最大キー フレーム間隔の変更は、入念な検討およびテストを行い、変更によって希望どおりの結果を得られることが確認された後に実行するようにしてください。

ロス プロテクション

RealProducer のロス プロテクション機能は、RealVideo パケットにエラー修正データを追加します。 これは、伝送路損失が大きい環境でのストリーミングにおけるパケットの品質維持に効果があります。 ロス プロテクションは、イントラネットよりもインターネット上でストリーミングを行う場合に、より有効です。 デフォルトではこの機能は無効になっていますが、エンコードするすべてのコンテンツに対して有効化することをお勧めします。 これにより、RealProducer はビデオ品質を低下させない範囲で、可能な限りのエラー修正データを付加します。

備考 : ほとんどのライブ ブロードキャストのタイプについても、RealProducer は同様に、Helix Server への配信時にエラー修正パケットを生成してストリームを保護します。 詳細については、「転送エラー修正 (FEC)」を参照してください。

詳細情報 : オーディエンスの作成と編集」セクションでは、オーディエンス テンプレートを編集して、この RealVideo オプションを変更する方法について説明しています。 オーディエンス テンプレートで直接この機能を設定するための情報については、「ビデオ ストリーム プロパティ」を参照してください。


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詳細については、RealNetworks の Web サイトを参照してください。
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