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第 8 章 マルチキャスト

マルチキャストは、使用するブロードキャスト ストリームの数を減らすユニキャストの代案です。マルチキャストを使うと、ブロードキャストの帯域幅を低減してライブ イベントの視聴者を増やすことができます。ただし、マルチキャストには特別に設定されたネットワークが必要です。また、マルチキャストは、インターネット配信よりもイントラネット配信に適しています。RealMedia、QuickTime、Windows Media、MPEG、および RTP ベースのさまざまなフォーマットをマルチキャストで配信できます。

マルチキャストについて

第 7 章で説明したように、ユニキャストでは各メディア プレイヤーへ個別にブロードキャスト ストリームが配信されます。これに対しマルチキャストでは、複数のプレイヤーへ単一のライブ ストリームを送信します。マルチキャストで配信できるのは、ライブ イベントか、SLTA による収録済みクリップのブロードキャストです。SLTA については第 10 章で説明しています。下図に示すように、プレイヤーは Helix Universal Server ではなく、ストリームに接続します。

マルチキャスト

マルチキャスト

バックチャネル マルチキャスト

バックチャネル マルチキャストは、すべての RealNetworks メディア プレイヤーで動作します。PNA プロトコルだけを使用する古いプレイヤーも含まれます。この方法のマルチキャストでは、各メディア プレイヤーは Helix Universal Server との制御チャネルを保持します。メディア プレイヤーはこのチャネルで、Stop などのコマンドを送信したり、サービス品質に関する統計情報をアーカイブ ログへ提出したりします。認証を使用している場合、Helix Universal Server はこのチャネルでユーザー名やパスワードを受信できます。またこのチャネルによって、第 18 章で説明する Server Monitor は、マルチキャストを視聴しているプレイヤー数を追跡できます。

バックチャネル マルチキャスト

バックチャネル マルチキャスト

注意 : 各プレイヤーが 1 つの制御チャネルを使用するので、バックチャネル マルチキャストは Helix Universal Server にライセンスで許可されているクライアント数に制限されます。

ユニキャストへのフェイルオーバー

RealNetworks のメディア プレイヤーがマルチキャストに対応していない場合や、バックチャネル マルチキャストに接続できない場合は、ユニキャストへのフェイルオーバーが自動的に行われます。これにより、すべてのプレイヤーが確実にブロードキャストを受信できます。ユニキャスト ストリームは個別に帯域幅を消費して Helix Universal Server のオーバーヘッドを発生させるため、ユニキャストへのフェイルオーバー機能を無効にし、マルチキャストだけを提供することもできます。この場合、マルチキャストに参加できないプレイヤーは、ブロードキャストに接続しようとするとエラー メッセージを受け取ります。

ヒント : バックチャネル マルチキャストとフェイルオーバー機能の組み合わせは、すべての RealNetworks メディア プレイヤーに対するブロードキャストに使用できます。デフォルトでは、プレイヤーはまずバックチャネル マルチキャストでの接続を試みます。マルチキャストを使用できない場合は、フェイルオーバー機能が有効になっていれば、ユニキャストに切り替えます。つまり自動マルチキャストをすべてのブロードキャストに対して有効にすると、帯域幅の節約に役立ちます。

スケーラブル マルチキャスト

スケーラブル マルチキャストを使用する場合、サーバーからの送信は片方向のため、ブロードキャストを受信するクライアント数には制限がありません。バックチャネル マルチキャストと違って、スケーラブル マルチキャストは制御チャネルを使用しません。したがって、使用する帯域幅、管理オーバーヘッド、システム リソースが少なくてすみます。スケーラブル マルチキャストは、RealPlayer G2 (バージョン6) およびそれ以降のプレイヤーで動作します。Apple の QuickTime Player など、スケーラブル マルチキャスト規格に準拠している RTP ベースの任意のメディア プレイヤーにもマルチキャストできます。

スケーラブル マルチキャスト

スケーラブル マルチキャスト

セッション記述ファイル

ユーザーは、SDP (セッション記述プロトコル) ファイルへのリンクをクリックしてスケーラブル マルチキャストに接続します。このファイルは Helix Universal Server で自動的に生成されます。すべてのデータはネットワーク上で一度にマルチキャストされます。マルチキャスト中は、メディア プレイヤーは Helix Universal Server には接続しません。このため、ブロードキャストの間に Server Monitor などのツールでクライアントの接続やアクティビティを追跡することはできません。

認証と統計

メディア プレイヤーはマルチキャスト中には直接 Helix Universal Server に接続しないため、スケーラブル マルチキャストでユーザー名とパスワードの確認を強制することはできません。また、ブロードキャストの終了時やプレイヤーの接続切断時に、Helix Universal Server または Web サーバーに接続しているプレイヤーから、サービス品質に関する統計情報を提出させることもできます。

ユニキャストへのフェイルオーバー

バックチャネル マルチキャストと同様に、スケーラブル マルチキャストにもフェイルオーバー機能があり、マルチキャストを受信できない RealNetworks メディア プレイヤーはユニキャストに切り替えることができます。マルチキャストをホスティングしている同じ Helix Universal Server でユニキャストを提供するか、別の Helix Universal Server で提供するかを選択できます。また、マルチキャストが使用できないことを知らせる Web ページにプレイヤーを導いて、ブロードキャストを視聴するほかの方法を示すこともできます。

Windows Media マルチキャスト

Helix Universal Server では、Windows Media フォーマットを Windows Media Player にスケーラブル マルチキャストで配信できます。各マルチキャストは Windows Media エンコーダからプルされ、単一のマルチキャスト チャネルでプレイヤーに提供されます。プレイヤーは、Web ページで NSC ファイルへのリンクをクリックして、マルチキャストに参加します。マルチキャストに参加できないプレイヤーのために、ユニキャスト URL を指定することもできます。RealMedia のバックチャネル マルチキャストと異なり、Windows Media の場合は RealSystem Server でユニキャストをすべて自動的に提供することはできません。また、Windows Media マルチキャストをアーカイブする機能はサポートされていません。

マルチキャスト用のネットワーク設定

マルチキャストを使用するには、Helix Universal Server、メディア プレイヤー、ルーター、スイッチ、その他すべてのネットワーク機器がマルチキャストに対応していることが必要です。このため、マルチキャストは主にイントラネット上で使用されます。ただし中間のネットワーク機器がマルチキャスト対応の場合、インターネット上でもマルチキャスト配信を行うことができます。マルチキャストを使用する前に、次の項目についてネットワーク管理者に確認してください。

マルチキャスト アドレス

マルチキャストを使用するネットワークでは、連続した範囲のアドレスをマルチキャスト アドレスとして使用する必要があります。有効範囲は 224.0.0.0 から 239.255.255.255 の間です。ネットワークでどのマルチキャスト アドレスを使用できるかについては、ネットワーク管理者に確認してください。公共のインターネット上では、マルチキャスト アドレスの範囲のうち、一部のアドレス (224.0.0.0 から 224.0.0.255 まで) は予約済みのため使用できません。

マルチキャストに必要なアドレス数は、使用するマルチキャストの種類と、配信するストリームの数に依存します。スケーラブル マルチキャストの場合、ブロードキャスト用の Helix Universal Server ポートも一定数予約する必要があります。必要なアドレス数とポート数については、マルチキャストの種類ごとに、設定に関するセクションで説明します。

警告 ! バックチャネル マルチキャストとスケーラブル マルチキャストなど、複数の種類のマルチキャストを使用する場合、アドレス範囲が重複しないように選択してください。

パケットの TTL

マルチキャストでのブロードキャストにはすべて、TTL (Time to Live: 生存時間) 機能が含まれています。マルチキャスト データ パケットがマルチキャスト対応ルーターを通るたびに、TTL は 1 ずつ減ります。値が 0 になるとルーターはパケットを破棄します。マルチキャストをセットアップするとき、0 から 255 の範囲で TTL を指定します。TTL が大きいほど、データ パケットを遠くまで伝えることができます。デフォルト値の 16 の場合は通常、マルチキャスト パケットは内部ネットワーク内に保持されます。次の表は、使用できる値をまとめたものです。

TTL (生存時間) 値
TTL 値 パケットの範囲
0 ローカル ホスト
1 ローカル ネットワーク (サブネット)
16 イントラネット
32 サイト
64 地域
128 大陸
255 世界

複数のネットワーク インターフェイス カードによるマルチキャスト

Helix Universal Server マシンに複数のネットワーク インターフェイス カード (NIC) が搭載してあり、Helix Universal Server でマルチキャストに必ず特定の NIC を使うようにするには、OS にデフォルト アドレスを設定します。Windows では、「IP アドレスへのバインディング」に従って IP バインディング機能を設定します。UNIX では、route コマンドを使ってマルチキャスト ルートを適切な NIC に関連付けます。

ほかの機能でのマルチキャストの使用

ここでは、マルチキャストと Helix Universal Server のほかの機能との関係を説明します。

スプリットとマルチキャスト

第 9 章で説明するとおり、トランスミッタからレシーバにマルチキャストでストリームを配信できます。この章で説明する設定はサーバーからプレイヤーへのマルチキャストだけに関するものなので、その場合は不要です。ただしレシーバからメディア プレイヤーにストリームをマルチキャストする場合、この章の説明に従ってマルチキャスト用にレシーバを設定する必要があります。

ライブ アーカイブとマルチキャスト

すべてのライブ ブロードキャストと同様、RealMedia または MP3 形式のライブ マルチキャストのアーカイブ ファイルを作成するように Helix Universal Server を設定できます。Helix Universal Server では、MPEG-4 マルチキャストや Windows Media マルチキャストのアーカイブは作成できません。

擬似ライブ ブロードキャストとマルチキャスト

SLTA を使って、オンデマンド クリップから擬似ライブ ストリームをマルチキャストで配信できます。SLTA については第 10 章で説明します。

Helix Universal Proxy とマルチキャスト

Helix Universal Server のネットワークの設定方法とストリームのリスト順によっては、Helix Universal Proxy に要求を転送されたクライアントが異なる結果を受け取ることもあります。

Helix Universal Proxy はマルチキャストに参加できません。その代わり、プル スプリットを使ってマルチキャストを受信しようとします。ソース側の Helix Universal Server でプル スプリットが有効になっていれば、Helix Universal Proxy はマルチキャストへ接続する代わりに、そのブロードキャストを使用します。クライアントはユニキャスト モードでブロードキャストを受信します。

Helix Universal Proxy とクライアントの間にマルチキャスト対応のネットワークがある場合、代わりにマルチキャストでプル スプリット ストリームを再送するように Helix Universal Proxy を設定できます。

詳細情報 : Helix Universal Proxy の設定については、『Helix Universal Proxy 管理ガイド』を参照してください。

ファイヤーウォールとマルチキャスト

マルチキャストは通常イントラネットの内側で発生し、ブロードキャストがファイヤーウォールの外に出ることはありません。マルチキャストがファイヤーウォールを通過するには、マルチキャスト トラフィックを許可するようにファイヤーウォールに特別な設定を行う必要があります。

アクセス コントロールや認証とマルチキャスト

あらゆる配信方法と同様、Helix Universal Server は、ブロードキャストを要求しているクライアントが受信を許可されているか確認します。リンクに認証マウント ポイント (/secure/) が入っている場合、Helix Universal Server はユーザーの ID を確認します。ただし、スケーラブル マルチキャストは認証できません。

レポートとマルチキャスト

バックチャネル マルチキャストを使ってサービスされるストリームは、ユニキャストの時とまったく同じようにアクセス ログに表示されます。アクセス ログには、ストリーム送信に使用された方法が表示されます。スケーラブル マルチキャストは、アクセス ログの GET ステートメントにあるマウント ポイントで識別できます。Helix Universal Server がクライアント統計情報を要求するように設定されている場合 (「クライアント統計情報の収集」参照)、ログ ファイルには各クライアントの統計情報も記録されます。

マルチキャストのリソース

Helix Universal Server のバックチャネル マルチキャストおよびスケーラブル マルチキャストは、オープンな業界規格に基づいています。次のリソースが有用です。

マルチキャストに関する一般情報

スケーラブル マルチキャストに関する情報

バックチャネル マルチキャストの定義

バックチャネル マルチキャストはデフォルトで有効になっていますが、正しく動作するようにマルチキャスト アドレスを指定する必要があります。バックチャネル マルチキャストを使用することによって、RealNetworks プレイヤーで再生できるメディア形式であればどれでもマルチキャストできます。マルチキャストを設定すれば、プレイヤーはまずマルチキャスト モードで接続しようとし、接続できない場合にはユニキャストを使用します。これによって各プレイヤーで使用可能な接続のうち最も効率の良い接続が使用されるため、帯域幅が節約できます。

必要なアドレス数の計算

バックチャネル マルチキャストに必要なアドレス数を求めるのは簡単です。ストリームの数に関係なく、使用するビット レート あたり 1 つのアドレスだけが必要となります。厳密には、単一のビット レートのビデオは 2 つのストリーム (オーディオ トラックに 1 つと映像に 1 つ)で構成されていますが、両方のトラックに同じアドレスを使用できます。

SureStream ブロードキャスト

SureStream の場合は、ストリームのエンコードに使用されるビット レートごとに 1 アドレスを予約する必要があります。たとえば、SureStream のストリームが 3 種類の視聴者帯域幅を対象としてエンコードされている場合は、3 つのアドレスが必要です。特定の帯域幅を対象としてエンコードされる拘束ストリームは使用されないため、追加のアドレスは不要です。

注意 : メディア プレイヤーはマルチキャスト中に SureStream のストリームを切り替えることはできません。

自動マルチキャスト

すべてのブロードキャストについてバックチャネル マルチキャストを有効に保つ場合、標準のブロードキャストに十分な数のマルチキャスト アドレスが必要です。RealVideo のブロードキャスト時は使用する対象帯域幅を 2 つに制限するなど、ポリシーを実装するとよいでしょう。ある特定のマルチキャストで予約済みのアドレス数が不足すると、そのイベントは自動的にユニキャストに切り替わります。ただし、フェイルオーバー機能を無効にしている場合は切り替わりません。

バックチャネル マルチキャストの設定

ここでは、バックチャネル マルチキャスト用に Helix Universal Server を設定する方法について説明します。少なくともマルチキャストのアドレス範囲を定義する必要があります。その他の設定は省略可能です。

バックチャネル マルチキャストを設定するには、以下の手順に従ってください。

  1. Helix Administrator の [Broadcast Distribution (ブロードキャスト配信)] > [Back-Channel Multicasting (バックチャネル マルチキャスト)] の順にクリックします。
  2. [Enable Multicast (マルチキャストを有効にする)] リストでこの機能をオンにします。デフォルト値の [Yes (はい)] が選択されていることを確認してください。[No (いいえ)] を設定するとマルチキャストは無効になり、すべてのメディア プレイヤーがすべてのブロードキャストでユニキャストを使用するようになります。
  3. [Enable SAP (SAP を有効にする)] リストから [Yes (はい)] を選択して、マルチキャスト セッションをアナウンスします。詳細については、「マルチキャストの宣伝」を参照してください。
  4. [PNA Port (PNA ポート)] ボックスに、Helix Universal Server が PNA マルチキャスト ストリームを送る、メディア クライアントのポート番号を入力します。デフォルト値は 7070 です。PNA は、RealPlayer G2 (バージョン6) より前のメディア クライアント (RealPlayer 5 など) でのみ使用されます。これらのクライアントでは SureStream や SMIL を再生できません。
  5. [RTSP Port (RTSP ポート)] ボックスに、Helix Universal Server が RTSP マルチキャスト ストリームを送る、メディア クライアントのポート番号を入力します。デフォルト値は 3554 です。
  6. [IP Address Range (IP アドレス範囲)] ボックスに記入して、ストリームをマルチキャストするアドレスの範囲を指定します。Helix Universal Server は、この範囲で最初に使用できるアドレスを使います。必要なアドレス数については、「必要なアドレス数の計算」を参照してください。
  7. [Time to Live (TTL)] ボックスに値を入力して、マルチキャスト パケットがネットワーク上で到達できる距離を指定します。詳細については、「パケットの TTL」を参照してください。
  8. 要求があったクライアントに欠如したパケットを再送できるようにするには、[Resend (再送信)] リストから [True (はい)] を選択します。パケット再送を使用するとネットワークのオーバーヘッドは増加しますが、より高品質のマルチキャストを配信できます。
  9. マルチキャストだけを通してブロードキャストを配信する場合は、[Multicast Delivery Only (マルチキャスト配信のみ)] リストから [Yes (はい)] を選択します。マルチキャストを使用できないメディア プレイヤーは、ブロードキャストに接続できなくなります。マルチキャスト対応のメディア プレイヤーのみにブロードキャストする場合や、高帯域幅のプレゼンテーションのマルチキャストの際にユニキャストへの切り替えを許可しない場合、この機能を使用します。
  10. 警告 !このオプションを選択すると、RealNetworks メディア プレイヤーにブロードキャストをユニキャストで配信することはできなくなります。ユニキャストを再び使用するには、マルチキャストの終了後にこのオプションをオフにしてください。

  11. [Access Rules (アクセス ルール)] セクションでは、マルチキャストに接続できるメディア プレイヤーの範囲を制限できます。定義済みのルールでは、マルチキャスト対応のプレイヤーすべてに対し、マルチキャストに接続するためのブロードキャスト URL へのアクセス権が与えられています。必要に応じてこのルールの削除や変更、または別のルールの設定が可能です。
    1. 新しいルールを追加するには、[+] アイコンをクリックし、必要に応じて [Edit Client Access Rule Description (クライアント アクセス ルールの説明の編集)] ボックスで名前を変更します。アクセス ルールは、アクセス権のあるメディア プレイヤーを単に一覧に挙げるだけであり、[Access Rules (アクセス ルール)] ボックス内の順序とは無関係です。
    2. 強調表示したルールについて、受け入れるプレイヤーの IP アドレスまたはドメイン名を [Client IP Address or Hostname (クライアント IP アドレスまたはホスト名)] に入力します。最初のルールでは [Any (任意)] が定義されており、すべての IP アドレスが受け入れられるようになっています。受け入れる範囲を制限するには、このルールを削除するか、このルールの値にネットマスクを設定します。
    3. 前の手順で入力した IP アドレスに対して、[Client Netmask (クライアント ネットマスク)] でビット マスクを選択して、クライアントの IP アドレスの範囲を指定します。ただし [Client IP Address (クライアント IP アドレス)][Any (任意)] を設定した場合、[Client Netmask (クライアント ネットマスク)][None (なし)] に設定します。 ビット マスクを使って IP アドレスの範囲を割り当てる方法については、付録 B を参照してください。

  12. [Apply (適用)] をクリックします。
  13. ヒント : 第 12 章で説明する一般的なアクセス コントロール ルールは、マルチキャストのアクセス ルールよりも優先されます。一般的なアクセス コントロールで除外されたメディア プレイヤーは、マルチキャストのアクセス ルールにかかわらず、どのマルチキャストにも接続できません。

バックチャネル マルチキャストの開始

バックチャネル マルチキャストの設定が完了したら、第 7 章の説明に従ってユニキャストを開始します。マルチキャストに接続できるメディア プレイヤーは、マルチキャストに接続します。マルチキャストに接続できないメディア プレイヤーは、ユニキャストを使用します。ただし、フェイルオーバー機能が無効になっている場合はユニキャストを使用しません。RTSP および PNA マルチキャストへのリンクはいずれも、ユニキャストへのリンクと同じです。これによって、単一のリンクでマルチキャストとユニキャストのクライアント両方にサービスを提供できます。リンク形式については「ユニキャストへのリンク」を参照してください。

スケーラブル マルチキャストの設定

ここでは、任意の数のメディア プレイヤーにブロードキャストできるようライブ チャネルを設定する方法について説明します。このメディア プレイヤーは、RTP パケットフォーマットおよびスケーラブル マルチキャスト規格をサポートしている必要があります。たとえば RealOne Player や RealPlayer、QuickTime Player などです。ユーザーが使用しているメディア プレイヤーで再生できるオーディオ形式やビデオ形式であれば、どれでもマルチキャストできます。

詳細情報 : 「マルチキャストのリソース」にマルチキャスト規格の情報を記載しています。

アドレス数とポート数の決定

連続した範囲の IP アドレスと、連続した範囲の Helix Universal Server ポートをスケーラブル マルチキャスト用に予約する必要があります。必要なアドレス数とポート数は、ブロードキャストするストリームの数に依存します。ここでは、必要なアドレス数とポート数の計算方法について説明します。

注意 : ここで選択するマルチキャスト アドレスは、バックチャネル マルチキャスト用のアドレスと重ならないようにしてください。

単一レートのオーディオおよびビデオ

単一レートのオーディオ ブロードキャストでは 1 つのストリームを使用しており、アドレスが 1 つ必要です。単一レートのビデオには、少なくとも 2 つのストリーム (オーディオ トラックに 1 つ、映像トラックに 1 つ) が含まれています。場合によっては、URL を開くためのイベント ストリームが含まれることもあります。スケーラブル マルチキャスト仕様では、各ストリームに 1 つのアドレスが必要です。ただし Helix Universal Server では、デフォルトでアドレス再利用機能があり、イベント ストリームが含まれているかどうかに関わらず、使用するマルチキャスト IP アドレスは 1 つの単一レートビデオにつき 1 つだけとなります。特別な理由がないかぎり、この機能の使用を推奨します。

注意 : アドレス再利用機能は、RealNetworks のメディア プレイヤーに対してのみ利用可能です。

ヒント :メディア プレイヤーの接続が低帯域幅で、ビデオ ストリームのオーディオ トラックだけを再生できるプレイヤーの場合、複数のアドレスを使用すると便利です。

SureStream RealAudio および RealVideo

SureStream の場合、エンコードに使用されるビット レートごとに 1 アドレスを予約する必要があります。たとえば、SureStream の RealAudio ブロードキャストが 3 種類の帯域幅を対象としてエンコードされている場合は、3 つのアドレスが必要です。RealVideo のブロードキャスト時にアドレス再利用機能を使用していない場合、各レートに 2 つのアドレスが必要です。たとえば、SureStream の RealVideo ブロードキャストが 3 種類の帯域幅を対象としてエンコードされている場合、アドレス再利用機能を使用していれば 3 つのアドレス、使用していなければ 6 つのアドレスが必要です。特定の帯域幅を対象にエンコードされる拘束ストリームは使用されず、追加アドレスは不要です。

注意 : メディア プレイヤーは、マルチキャスト中に SureStream のストリームを切り替えることはできません。

ポート範囲

スケーラブル マルチキャストには、連続した偶数番号のポートが必要です。必要なポート数は、メディアの種類と、ストリームのエンコードに使用されるビット レートの数に依存します。1 つのデータ ストリームにつき 2 つのポートを予約する必要があります。

クライアント統計情報の収集

RealNetworks メディア プレイヤーには、スケーラブル マルチキャスト中に受け取るデータの量と質について統計情報を送信する機能があります。ユニキャストの場合と同様、クライアントの統計情報はプレゼンテーション終了時 (またはプレイヤー切断時) に送信され、アクセス ログに保存されます。詳細については第 16 章を参照してください。収集された統計情報から、クライアント数とサービス品質について結論を出すことができます。

スケーラブル マルチキャストは数千ものプレイヤーにサービスを提供できるため、負荷やライセンス許可の制限などの理由によって、セッション終了時に Helix Universal Server がすべての接続の統計は処理できない場合もあります。この場合、Helix Universal Server への接続数ではなく送られてくる情報量を制限する方法や、Web サーバーにこのタスクを担当させる方法もあります。

統計情報収集の制限

[Logging & Monitoring (ロギングとモニタリング)][Access & Error Logging (アクセス ログとエラー ログ)][Client Stats (クライアント統計情報)] 設定を変更して、スケーラブル マルチキャストの終了時に送られてくるデータの種類を制御できます。最小限のデータだけを送るようクライアントに指示するには、[Logging Style (ロギング スタイル)]0 を設定し、[Stats Mask (統計マスク)] の設定をクリアします。このロギング スタイルで記録されるデータについては、「ロギング スタイル」を参照してください。記録するのは最小限のデータだけですが、Helix Universal Server がプレイヤーからの接続を許可するのは、最大でライセンス数の分までです。

注意 : アクセス ログのスタイルを変更すると、その設定はあらゆる方式のコンテンツすべてに適用されます。

Web サーバーでの統計情報収集

プレイヤーがスケーラブル マルチキャストに接続するとき、Helix Universal Server はプレイヤーに対して、セッション終了時に接続統計情報を Web サーバーに送るよう指示できます。Web サーバーは負荷分散を行うように設定されていることが多く、同時に多数発生する短時間の接続を処理するには Helix Universal Server よりも適している場合もあります。

Web サーバーを使用するには、統計情報を受け取ってログ ファイルに書き込む CGI スクリプトを作成する必要があります。Web サーバーに送られる統計情報は通常、Helix Universal Server のアクセス ログに記録される統計情報のサブセットです。統計情報は次のような形式で、HTTP POST を通して送信されます。「#」という記号は区切り文字として使用されています。

[Stat1:statistics_1][Stat2:statistics_2]#sent_time

詳細情報 : クライアント統計情報 1 および 2 の詳細については「クライアント統計情報」を参照してください。

ライブ チャネルの設定

ここでは、RealNetworks メディア プレイヤーにスケーラブル マルチキャスト配信するためにライブ チャネルを設定する方法について説明します。すべてのスケーラブル マルチキャストに対してライブ チャネルを 1 つだけ設定することもできます。または、別々の方式のマルチキャスト ブロードキャスト ストリームに対して別々のライブ チャネルを作成することもできます。たとえば同時に 2 つのマルチキャストを実行するには、別々の 2 つのチャネルを定義します。

ライブ チャネルを作成するには、以下の手順に従ってください。

  1. Helix Administrator で [Broadcast Distribution (ブロードキャスト配信)] > [Scalable Multicasting (スケーラブル マルチキャスト)] の順にクリックします。
  2. [Mount Point (マウント ポイント)] ボックスに、スケーラブル マルチキャストすべてに使用されるマウント ポイントが表示されます。デフォルト値のマウントポイントは /scalable/ です。デフォルト値の使用を推奨しますが、必要に応じて変更してもかまいません。
  3. 新しいライブ チャネルを作成するには、[+] アイコンをクリックし、このマルチキャスト セッションを説明する名前を [Edit Channel Description (チャネル名の編集)] ボックスに入力します。
  4. [Enable Channel (チャネルを有効にする)] リストから [Yes (はい)] を選択して、このチャネルのスケーラブル マルチキャストを有効にします。
  5. [Enable SAP (SAP を有効にする)] リストから [Yes (はい)] を選択して、マルチキャスト セッションをアナウンスします。詳細については、「マルチキャストの宣伝」を参照してください。
  6. ライブ ブロードキャストで使用するストリーム名を [Path (パス)] ボックスに入力します。すべてのブロードキャストを許可するには、デフォルト値のアスタリスク (*) のままとしてください。それ以外の場合、live.rm のようにストリーム名を指定し、news/live.rm のようにエンコーダで使用する仮想パスを加えます。/broadcast/ や /encoder/ など、標準のユニキャスト マウント ポイントの記述は不要です。
  7. 次に、スケーラブル マルチキャストで使用するポートとアドレスを指定します。詳細については「アドレス数とポート数の決定」を参照してください。
    1. [Port Range (ポート範囲)] ボックスに、クライアントがストリームをリッスン (待ち受け) するポートの範囲を入力します。
    2. [IP Address Range (IP アドレス範囲)] ボックスに、使用するアドレスの範囲を入力します。Helix Universal Server は、この範囲で最初に使用できるアドレスを使います。範囲の代わりに 1 つのアドレスを使用するには、各ボックスに同じアドレスを入力します。
    3. ヒント : 複数チャネルに対して同一のポートおよびアドレス範囲を使用できます。ただし同時に複数のチャネルでマルチキャストする予定がある場合、同時マルチキャストすべてをカバーできるだけの広い範囲を確保する必要があります。たとえば、2つのチャネルが同じアドレス範囲を共有することは可能ですが、同じアドレスで同時にブロードキャストすることはできません。

  8. マルチキャスト パケットがネットワーク上で到達できる距離を [Time to Live (TTL)] ボックスに指定します。詳細については、「パケットの TTL」を参照してください。
  9. [Timeout (タイムアウト)] に値を入力します。この値は、停止するか [Alternate URL (代用 URL)] の値を使う前に、クライアントがマルチキャスト パケットを待つ秒数を表します。
  10. ビデオの各ストリームに別々のアドレスを使用する場合、[Reuse Address (アドレスを再利用する)] リストから [False (いいえ)] を選択します。両方のストリームに 1 つのアドレスを使用する場合は [True (はい)] を選択します。詳細については「アドレス数とポート数の決定」を参照してください。
  11. 注意 : アドレス再利用機能は、RealNetworks のメディア プレイヤーに対してのみ利用可能です。

  12. 次に、マルチキャストを受信できないメディア プレイヤーでユニキャストへの切り替えを行うかどうかを決定します。この機能は、RealNetworks のメディア プレイヤーに対してのみ利用可能です。
    1. クライアントがユニキャストへの切り替えを行わないようにするには、[Shift to Unicast (ユニキャストへのシフト)] リストから [No (いいえ)] を選択します。ビット レートの高いプレゼンテーションをブロードキャストするときなど、ユニキャスト ストリームが多数発生すると帯域幅を消費しすぎる場合に、これを選択するとよいでしょう。[No (いいえ)] を選択した場合、次のボックスは無視できます。
    2. バックアップ用のユニキャストを同じ Helix Universal Server で提供する場合、[Alternate Unicast URL (代用ユニキャスト URL)] ボックスは空白にします。ユニキャストを別の Helix Universal Server で提供する場合、そのサーバーのアドレスと、ブロードキャストへのパスを指定します。たとえば、次のようになります。
    3. rtsp://helixserver.example2.com/broadcast/vivaldi.rm
      

      ユーザーを代替のストリームにリダイレクトしない場合は、「このプレゼンテーションはマルチキャスト対応のメディア プレイヤーでのみ視聴できます」などのメッセージを掲示した Web ページに移動させることができます。[Alternate Unicast URL (代用ユニキャスト URL)] ボックスに、Web ぺージの完全修飾 URL を入力します。たとえば、次のようになります。

      http://www.example.com/no_multicast.html
      

  13. 次の一連のオプションは、クライアントの統計情報を Helix Universal Server で記録するか、Web サーバーで記録するか、またはまったく記録しないかを制御します。この機能の背景については、「クライアント統計情報の収集」を参照してください。統計情報をレポートに出力するのは RealNetworks のクライアントだけであるため、ほかの RTP ベースのメディア プレイヤーにマルチキャストする場合は [No (いいえ)] と設定します。
    1. マルチキャスト終了時に接続統計情報をクライアントから Web サーバーに送ってもらう場合は、[Send Client Statistics to Web Server (クライアント統計を Web サーバーに送信)] ボックスで [Yes (はい)] を選択します。Helix Universal Server に送ってもらう場合は [No (いいえ)] を選択します。[No (いいえ)] を選択した場合、これ以降の設定は無視してもかまいません。
    2. [Web Server Address or IP Address (Web サーバー アドレスまたは IP アドレス)] ボックスに、統計情報を収集する Web サーバーのアドレスを入力します。
    3. [Web Server Port (Web サーバー ポート)] ボックスに、Web サーバーの HTTP ポート番号を入力します。
    4. [Web Server CGI Path (Web サーバー CGI パス)] ボックスに、Web サーバー上でクライアント統計情報をログ ファイルにまとめる CGI スクリプトのパスを入力します。たとえば、次のようにします。
    5. cgi-bin/client-stats/logstat
      

  14. [Apply (適用)] をクリックします。

スケーラブル マルチキャストの配信

マルチキャストの設定が完了したら、第 7 章の説明に従ってブロードキャストを開始します。スケーラブル マルチキャストをオンにし、パスとして「*」を入力してすべてのブロードキャストでマルチキャストを使用できるように設定すると、RealNetworks メディア プレイヤー向けのすべてのユニキャストでマルチキャストを使用できるようになります。ただし、バックチャネル マルチキャストと違ってスケーラブル マルチキャストでは、ユニキャストとは異なる URL 形式を使用します。つまり、適切なマルチキャスト リンクが入力された場合のみスケーラブル マルチキャストが利用できるということになります。

ヒント : [Shift to Unicast (ユニキャストへのシフト)] 機能を有効にした場合、すべてのブロードキャストについてマルチキャスト URL だけを発行すればすみます。マルチキャストに接続できるプレイヤーは、マルチキャストに接続します。マルチキャストを使用できないプレイヤーは、ユニキャストを使用します。

マルチキャスト SDP ファイル

Helix Universal Server は、スケーラブル マルチキャストの要求を受け取ると、自動的に SDP (セッション記述プロトコル) ファイルを作成します。SDP は、マルチキャスト アドレスとポート、ストリームのタイトル、制作者、著作権などの情報を含む標準ファイル形式です。

ユーザーが Web ページでマルチキャストへのリンクをクリックすると、メディア プレイヤーはこの SDP ファイルを受け取り、その情報に従ってマルチキャストに接続します。Web ページのリンクを右クリックするなどの方法で SDP ファイルをダウンロードし、後でこのファイルを直接メディア プレイヤーで開いてマルチキャストに接続することもできます。

スケーラブル マルチキャストへのリンク

スケーラブル マルチキャストのリンクは、ユニキャストのリンクとは異なります。Web ページでもメタファイルでも同じ形式を使用し、常に HTTP プロトコルを指定します。要求されるストリームは、必ず .sdp という拡張子で終わります。以下にリンク形式の例を示します。

http://address:port/mount_point/path/file.rm.sdp

下記の例では、Helix Universal Server で HTTP のデフォルト ポート 80 を使用するため、ポート番号を指定していません。

http://helixserver.example.com/scalable/news/live.rm.sdp

Windows Media のマルチキャスト

すべての Windows Media ブロードキャストと同様、Windows Media マルチキャストは Windows Media Player が最初にマルチキャストを要求した時点で Windows Media エンコーダからプルされます。必要な IP アドレスとポートは、1 つのマルチキャストにつき 1 つだけです。この形式のマルチキャストは、基本的なユニキャスト定義に基づいて構築されます。ユニキャスト定義の設定方法については、「Windows Media のブロードキャスト」を参照してください。

マルチキャスト チャネルの定義

Windows Media マルチキャストを設定するには、まず 1 つまたは複数のマルチキャスト チャネルの定義が必要です。チャネルが有効な間はマルチキャスト配信を継続できます。

Windows Media マルチキャスト チャネルを作成するには、以下の手順に従ってください。

  1. Helix Administrator の [Broadcast Distribution (ブロードキャスト配信)] > [Windows Media Multicasting (Windows Media マルチキャスト)] の順にクリックします。
  2. [NSCFilePath (NSC ファイル パス)] ボックスに、NSC ファイルへのパスが表示されます。このファイルは、Windows Media Player でマルチキャストへの接続に使用されます。デフォルト パスは Content の下の nscfile ディレクトリですが、オンデマンド コンテンツを格納している別のパスに変更することもできます。Helix Universal Server は、指定されたディレクトリに NSC ファイルを自動的に生成します。このとき、ファイル名としてチャネル名を、拡張子として .nsc を使用します。
  3. 注意 : NSC ファイルに別のディレクトリを使用する場合、HTTP 配信リストへのパスを追加します。詳細については「HTTP 配信の許可」を参照してください。

  4. 新しいライブ チャネルを作成するには、[Channels (チャネル)] セクションの [+] アイコンをクリックし、このマルチキャスト セッションを説明する名前を [Channel Name (チャネル名)] ボックスに入力します。このチャネル名は NSC ファイルの名前になるため、この名前にスペースや特殊な文字を使用しないことを推奨します。
  5. [Enable Broadcast (ブロードキャストを有効にする)] リストから [Yes (はい)] を選択して、このチャネルのマルチキャストを有効にします。マルチキャスト終了後、このリストの値をデフォルト値である [No (いいえ)] に戻すと、このチャネルを無効にできます。
  6. ヒント : Windows Media マルチキャストは要求に応じてプルされることと、ユーザーがローカルに NSC ファイルを保存できることから、使用しないチャネルではマルチキャストを無効にするとよいでしょう。

  7. [Multicast Address (マルチキャスト アドレス)] ボックスに、使用するクラス D のマルチキャスト アドレスを入力します。必要なアドレスは、1 つのマルチキャストにつき 1 つだけです。チャネルごとに異なるアドレスを使用する必要があります。
  8. [Port Range (ポート範囲)] ボックスに、クライアントがこのチャネルでストリームをリッスン (待ち受け) するポートを入力します。チャネルごとに異なるポートを使用する必要があります。
  9. マルチキャスト パケットがネットワーク上で到達できる距離を [Time to Live (TTL)] ボックスに指定します。詳細については、「パケットの TTL」を参照してください。
  10. [Stream Description (ストリームの説明)] ボックスに、このマルチキャスト ストリームの説明文を自由に入力します。これは参照目的のみであり、マルチキャストでは使用されません。
  11. マルチキャストに参加できないメディア プレイヤーのために代替のユニキャストを提供するには、ユニキャストのアドレスとパスを [Alternate Unicast URL (代用ユニキャスト URL)] ボックスに入力します。ユニキャストを同一の Helix Universal Server で提供することもできますが、その場合でも、ユニキャストへのフェイルオーバーが正しく動作するためには、ユニキャストのアドレスを明示的に定義する必要があります。たとえば、次のようになります。
  12. mms://helixserver.example.com/wmtencoder/chopin.wma
    

  13. [Client Statistics URL (クライアント統計の URL)] には、マルチキャスト終了時にクライアントから統計情報を収集する Microsoft IIS (Internet Information Server) の HTTP アドレスまたはホスト名を指定します。このフィールドを空白にしておくと、メディア プレイヤーは統計情報を返送しません。プレイヤーから Helix Universal Server へ統計情報を送ることはできません。
  14. 詳細情報 : マルチキャスト統計情報を収集するための IIS の設定方法については、Windows Media サービスのマニュアルを参照してください。

  15. このマルチキャスト チャネルで使用するライブ ソースを定義する場合は、次のセクションへ進みます。このチャネル ソースを後で設定する場合、[Apply (適用)] をクリックしてチャネル定義を保存します。

ライブ ソースの設定

各チャネルでは、任意の数の Windows Media エンコーダにライブ ストリームをマルチキャストで配信できます。ただし各チャネルでは、そのライブ ソース リストから選択してマルチキャストできるストリームは一度に 1 つだけです。各チャネルで使用するライブ ソースは、チャネル定義で設定します。各チャネルで個別にライブ ソースのリストを管理します。

チャネルのライブ ソースを設定するには、以下の手順に従ってください。

  1. Helix Administrator の [Broadcast Distribution (ブロードキャスト配信)] > [Windows Media Multicasting (Windows Media マルチキャスト)] の順にクリックします。
  2. ページ上部の [Channels (チャネル)] ボックスで、ライブ ソースを作成するチャネルを強調表示します。
  3. ページの下部までスクロールし、[Channel Sources (チャネル ソース)] セクションの [+] アイコンをクリックして、新しいライブ ソースを設定します。
  4. このソースを説明する名前を [Channel Source Name (チャネル ソース名)] ボックスに入力します。この名前は参照目的のみであり、マルチキャストでは使用されません。
  5. [Stream Format File (ストリーム形式ファイル)] には、ASF ファイル (拡張子 .asf) のフル パスとファイル名を入力します。このファイルは、エンコーディング開始時に Windows Media エンコーダによって生成され、Helix Universal Server にコピーされます。このファイルは Helix Universal Server だけで使用され、メディア プレイヤーには配信されません。
  6. ヒント : ASF はストリーム形式ファイルなので、オンデマンド ストリーミング用のディレクトリには置かないことを推奨します。こうすれば、形式ファイルをストリーミング クリップと間違えることはなくなります。

  7. [Live Source (ライブ ソース)] には、Windows Media エンコーダからプルするライブ ストリームを示すマウント ポイントとストリーム名を指定します。これらの要素は、Windows Media ユニキャスト ページで定義されます。詳細については、「Windows Media のブロードキャスト」を参照してください。デフォルトのマウント ポイントは /wmtencoder/ なので、[Live Source (ライブ ソース)] への入力内容は次のようになります。
  8. /wmtencoder/live.wmv
    

    警告 ! 各ライブ ソースには、特定のブロードキャスト ストリームを定義する必要があります。Windows Media のマルチキャストでは、ワイルドカード文字はサポートされません。したがって、/wmtencoder/ マウント ポイントを使用するすべてのブロードキャストを「*」でプルするというようなことはできません。

  9. [Apply (適用)] をクリックしてライブ ソース定義を保存します。

Windows Media マルチキャストの実行

マルチキャストを有効にし、ライブ ソースの定義が完了したら、マルチキャストを開始できます。Windows Media エンコーダを起動し、Helix Universal Server の定義済みの場所に ASF ストリーム形式ファイルを配信してください。メディア プレイヤーから最初の要求があった時点でブロードキャストが始まります。

マルチキャストへのリンク

Windows Media Player は、ブロードキャストに参加するために NSC ファイルのダウンロードを要求します。このファイルには、マルチキャストへの参加方法が指示されています。したがって、次の例のように Web ページの HTTP リンクを通してブロードキャストを起動できます。通常は Windows Media Player の起動に /asxgen/ マウント ポイントが必要ですが、この場合は不要です。

http://helixserver.example.com/nscfile/live_channel.nsc

ヒント : ユニキャストへのフェイルオーバー機能を使用している場合、NSC ファイルの URL だけを公開すればすみます。マルチキャストに接続できるプレイヤーは、マルチキャストに接続します。マルチキャストを使用できないプレイヤーは、ユニキャスト URL に切り替えます。

Windows Media マルチキャストの停止

いずれかのチャネルでストリームをマルチキャスト中の場合、マルチキャストの設定ページ上部にある [Transmitting Channels (送信中のチャネル)] ボックスにチャネル名が表示されます。ブロードキャストを停止するには、チャネル名を強調表示して [Stop Transmitting (送信停止)] チェック ボックスをオンにし、[Apply (適用)] をクリックします。これによって [Enable Channel (チャネルを有効にする)] リストの値が [No (いいえ)] に変わり、ストリームが再びプルされるのを防ぎます。チャネルを再開するには、[Enable Channel (チャネルを有効にする)] リストで [Apply (適用)] をクリックします。

マルチキャストの宣伝

オプションで、SAP (セッション アナウンスメント プロトコル) をリッスン (待ち受け) するプログラムを実行しているユーザーならば誰にでも、バックチャネル マルチキャストとスケーラブル マルチキャストを宣伝できます。SDR や ICAST Guide などのアプリケーションは、現在再生中のすべてのマルチキャストを一覧表示します。Helix Universal Server は SAP ファイルを自動的に作成します。SAP アナウンスをリッスンしているプログラムは、マルチキャストされるファイルにエンコードされているタイトル、制作者、著作権などの情報を表示します。

注意 : Windows Media マルチキャスト形式では、SAP はサポートされていません。

SAP ファイルを作成できるように Helix Universal Server を設定するには、以下の手順に従ってください。

  1. Helix Administrator で [Broadcast Distribution (ブロードキャスト配信)] > [Session Announcement (セッション アナウンス)] の順にクリックします。
  2. [Host IP Address (ホスト IP アドレス)] ボックスに、この Helix Universal Server の IP アドレスを入力します。SAP アナウンスに、このアドレスが含まれるようになります。
  3. [Enable SAP Service (SAP サービスを有効にする)] プルダウン リストから [Yes (はい)] を選択します。これは、Helix Universal Server に対する SAP ファイルの作成および送信の指示です。デフォルト値は [No (いいえ)] です。
  4. [Listen to SAP (SAP をリッスンする)] リストで、デフォルト値の [Yes (はい)] が選択されていることを確認します。このオプションによって、Helix Universal Server は使用中のマルチキャスト アドレスを収集できるようになります。Helix Universal Server は、ユーザー指定のアドレス範囲からマルチキャスト アドレスを選択する時にこのリストを参照するので、ネットワークのほかの場所で使用されていない一意のアドレスを確実に選択できます。
  5. [Apply (適用)] をクリックします。


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